体を温め血行を促す「桃」、腸内環境を整え血行と代謝を良くする「甘酒」、血を補い髪の潤いを与える「クコの実」を使った、材料はたった3つ!簡単にできる髪育ごはんです。
桃が髪におすすめの理由
桃の原産地である中国では、古来の神話にも「不老不死の果物」として登場し、3000年以上前から食されていたと言われます。
私たちが目にするものの多くは甘くてジューシーな白桃ですが、中国や西洋諸国では果肉の色の濃い黄桃が多く食されています。
そんな桃の実には、ビタミンCやナイアシンなど皮膚や粘膜を健康に保つ成分も多く、美肌効果も期待できます。
✔︎肌に潤いを与えるビタミンC
✔︎皮膚や粘膜の健康を保つナイアシン
✔︎むくみ改善、高血圧予防のカリウム
✔︎抗酸化、抗菌作用のあるクマリン
✔︎便秘改善の食物繊維(ペクチン)
✔︎疲労回復に効果のあるクエン酸、リンゴ酸
✔︎脂肪の代謝を促進するイノシトール
✔︎骨粗しょう症予防のカルシウム
水溶性食物繊維を豊富に含んだペクチンには、便秘改善の効果があるので、腸内環境を整え美肌効果も。血行を促す作用もあるので、ドロドロ血や血行不良からの抜け毛タイプにもおすすめです。
そのまま食べるのはもちろん、ゼリーやタルト、スープやジュースなど、スイーツや料理に幅広く使える人気の果実ですね。
桃の花、葉、種にも効能が!
漢方の世界では、桃の実はもちろん、種や葉、花も漢方の生薬として重宝されてきました。
桃の花
桃の花は、「白桃花」と呼ばれる生薬。利尿にはたらく成分が含まれていて、利尿剤やむくみ改善、下剤として用いられています。便秘改善、水分代謝を良くする働きもあるので美肌にも良く、女性には嬉しい効能も。
ただし、生薬の場合、果物に比べて効果が強いので取りすぎには要注意。また、妊娠中の使用は禁忌なので使わないようにしてくださいね。気になる場合は、漢方の専門家に相談するのがおすすめです。
桃の葉
桃の葉には、タンニン、カリウム、マグネシウムが含まれ、日本では古くから「桃湯」が親しまれてきました。江戸時代から夏の土用には、桃湯に入る習慣があったそう。
収れん作用(ぎゅっと引き締める)があるので、乾燥させたものをお風呂に入れると湿疹やあせもにも効果があります。皮膚病にも効果がある桃の葉を手に入れたら、生の葉を乾燥させて(できれば天日干し)、お風呂に入れれば桃湯が楽しめます。
桃の種
桃の実を食べた後に残った種(核)を割ると中から種子が出てきます。これを「桃仁」と呼び、血の滞りを除く作用に優れているので、婦人病の漢方薬として用いられています。
血の巡りを良くする作用があり、生理不順や生理痛(PMS) 、更年期障害、便秘、肩こり、打ち身、捻挫、頭痛にも効果があります。
桃の特徴
【性味】温性、甘酸味 【帰経】肺・脾・肝
【特徴】血の巡りを良くする、気を補う、腸や体を潤す、乾燥による便秘の改善、尿の出を良くする、口の乾きを癒す、咳を沈める
薬膳的には、桃の味は「甘く」、性質は「体を温める」分類になります。体を冷ます「清熱作用」のものが多い果物の中では珍しく「温性」の食材。
桃の果肉は、血行促進や体を潤す作用があるので、美肌効果や腸の乾燥による便秘を改善します。
また、気や血も補い、水分もたっぷりなので、発汗しやすく、疲労や汗かき、寝汗など夏バテにも良い食材なのです。
髪育的には、肌を潤す作用があるため、頭皮や髪のパサつきを改善します。頭皮の血行も促してくれるので、桃は元気な髪を育てるにはおすすめの食材。
薬膳としての組み合わせ
今回、「桃」に合わせた「甘酒」は、飲む点滴と称されるほど栄養価も高く、美容や健康、ダイエットにも作用する食材。
甘酒に含まれるブドウ糖は、麹菌によってすでに分解されているので、効率よく体内にエネルギー源を吸収でき、胃腸にも優しいのです。
江戸時代では夏バテ予防の飲み物として名物であったことからも、「甘酒」は夏の季語になったそう。
また、ビタミンB群を多く含む甘酒は、血行と代謝をアップさせ、毛細血管の隅々にまで栄養素を届け、老廃物を流してくれます。
トッピングに使ったクコの実には、血を補う効果もあるので血が不足しがちな女性にもおすすめ。
体を潤し血行促進効果のある「桃」、血行と血流を促し美肌作用もある「甘酒」 、血を補う「クコの実」を組み合わせた、夏に食べたい髪育ごはんを作ってみました。
『桃と甘酒ゼリー』のレシピ
調理時間30分【難易度★☆☆】
食材
【2人分】
・桃:1個(缶詰なら1個分)
・甘酒:200ml
・クコの実:大1
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・ゼラチン:5g
・水:25g
作り方
①クコの実は少量の水につけ、柔くしておく。
②80℃以上のお湯(25g)とゼラチンを混ぜてふやかしておく。
③白桃は皮を剥き、1/4ほど取り分け、残りは2センチ角にカットして器に入れる。
④甘酒を鍋に入れ、弱火で火にかける。80℃くらいに温まったら、火からおろし、②を加えしっかり混ぜる。熱が取れたら、器に流し入れ、冷蔵庫で冷やして固まったら出来上がり。
ポイント
❶ゼラチンを入れるときは、火にかけたままだとダマになる可能性があるので、火を止めコンロから下ろして混ぜましょう。
❷急いで作りたい場合は、④で器に流し入れる前の粗熱を取るとき、氷水を張ったボールで急激に冷まし、少しとろみが出てきてから入れると短時間で固まります。