野菜とお肉の両方から血をたっぷり補える、気血不足からくる髪のパサつきや抜け毛を改善する髪育ごはんです。
牛肉が髪におすすめの理由
牛肉が日本の家庭用食材として普及したのは、明治時代に入ってからだそうです。焼肉や牛丼、ステーキやローストビーフなど、今では世界各国いろいろな調理方法で愛されていますね。
牛肉(赤身肉)には、筋肉や髪、爪を育てる上で必要不可欠な血液をつくる動物性たんぱく質が豊富。それに加えて、細胞の新陳代謝を促す亜鉛や鉄、ビタミンB群やミネラルといった栄養素の宝庫です。
✔︎髪の主成分のたんぱく質
✔︎目の健康や美肌作りをサポートするビタミンA
✔︎貧血予防の鉄分
✔︎髪の艶を豊かにするビタミンB群
✔︎強い抗酸化力、老化予防のビタミンE
✔︎脂肪酸の燃焼を促すカルニチン
✔︎精神安定、うつ症予防に良いトリプトファン
✔︎むくみを改善するカリウム
✔︎動脈硬化や血栓予防のオレイン酸
牛肉は部位によって栄養素や脂ののり方も変わってきます。日本では脂のたっぷり乗った霜降り肉のすき焼きも人気ですが、美容、薬膳の面からだと赤身肉のほうがおすすめです。
また、このたんぱく質が不足するとエネルギーが足りなくなり、貧血や免疫力の低下にもつながります。新型コロナウイルスや風邪予防のためにもしっかりと補いたいところですよね。
筋肉や臓器、爪や髪などを作る上で大切な約20種類のアミノ酸のバランスを100点であらわした「アミノ酸スコア」というものがあります。
そのスコアの100点に位置するのが牛肉。大豆は86、白米は65ということからも、牛肉が優れているかがわかるかと思います。
牛肉には体内で合成されない必須アミノ酸も多く、肌や髪に元気がない、貧血、便秘気味など、美容や健康面が気になる時は取り入れて欲しい食材ですね。
牛肉の特徴
【性味】平性、甘味 【帰経】脾・胃
【特徴】気血を補う、消化器を補う、足腰のだるさ、足腰の衰えや痛み、老化予防、貧血、血の不足による髪のパサつき・抜け毛
牛肉は、気血を補い、老化予防に良い働きがあります。
《牛肉の薬膳的効能》
✔︎足腰を強くして老化を遅らせる
✔︎肌に潤いを与えて美しくする
✔︎血の巡りを良くして肩こり改善
✔︎関節の痛みを和らげる
牛肉は「補気の王様」と言われる朝鮮人参に匹敵するほど、「気」を補う作用が高い食材です。 また、体を温める性質もあるので冷え性、胃腸からの冷えからくる消化不良や食欲不振にもおすすめです。
ただ、冒頭の「気血を補い老化予防」と言われてもピンときませんよね。簡単にいうと、牛肉は胃腸を元気にして、エネルギーの源になる「気」「血」といったものも一緒に補える食材なのです。
どんなに良いものを取り入れても、胃腸が弱っていたら吸収できませんよね。ちゃんと胃腸を元気にしつつ、気血も補い、さらに補ったものを巡らせてくれるというのです。
なので、貧血や体力回復はもちろん、血行促進や肩こり改善にもなります。
中医学でいう「血」は、体のすみずみまで栄養を送り、体を潤すと考えます。つまり、血の不足は、からだを潤す栄養が不足している状態。
そのため、肌や髪の乾燥、抜け毛、生理不順や不妊、動悸やめまいなど、さまざまな症状が現れやすくなります。
髪は『血の余り』と言われ、血を補ってあげることがとっても大切です。
薬膳としての組み合わせ
今回、「牛肉」に合わせた「人参」「ほうれん草」にも、血を補う働きがあります。血を浄化する緑黄色野菜と一緒に食べることで消化も助けてくれますよ。
また、にんにくには体を温め、全身の巡りを良くする働きがあります。お肉との相性も良く、味に深みが出ます。肺を潤す白ごまをトッピングして肌にも潤い補給を。
血を補い老化予防に良い「牛肉」、血を補い目を元気にする「人参」、血を補い潤い補給の「ほうれん草」、体を温めて巡りを良くする「にんにく」、肌の潤い補給「白ごま」を使った
たっぷり血を補いパサつきや抜け毛を予防する髪育ごはんです。
『牛肉の野菜巻き』のレシピ
調理時30分【難易度★☆☆】
食材
【2人分】
・牛肉:200g
・ほうれん草:1/2束
・人参:1/2
<A>
・醤油:大1
・みりん:大1
・てんさい糖:大2
・すりごま:大1
・にんにくのすりおろし:小1
作り方
①ほうれん草をよく洗い、10㎝ほどにカット。耐熱皿に入れて電子レンジで1分半ほどチンする。人参は千切りにしておく。
②Aの調味料を混ぜ合わせておく。
③牛肉を広げ、ほうれん草、にんじんを配置して巻きあげる。(インスタに画像をアップしています。参考にしてくださいね)
④フライパンを熱し、巻目を下にして1分ていど放置(中火)。転がしながら全体に焼き色がつくまで焼く。
⑤焼き色がついたらAを入れ、中火のまま煮詰めたら出来上がり。
ポイント
❶ほうれん草は電子レンジで火を入れることで、栄養素を逃さず摂取できます。
❷2㎝幅に切って爪楊枝にさす、半分にカットしてそのまま入れるなど、お好みに合わせて盛り付けてください。