前回のコラムでは、正しい髪の洗い方をお伝えしましたが、次に気をつけたいのが『髪の乾かし方』。『髪の洗い方』と同じくらい、意外とできていないのがドライヤーの扱い方なんです。髪の長さによっても変わってきますが、ロングになるほど注意が必要です。『髪育』になるシャンプーの方法に続き、ぜひやって欲しい髪の乾かし方をお届けします。
Contents
間違った髪の乾かし方が原因で起こるトラブル
1、頭皮のニオイが強くなる
間違ったドライヤーの使い方で髪全体を乾かせていないと、乾かせていない部分の頭皮から雑菌が増加することがあります。
『菌=悪』ではなく、人の肌には常在菌(マラセチア菌)と言われる菌がいます。誰にでもいる真菌(=カビ)の一種なので、いつもは肌にトラブルを起こすことはありません。
しかし、乾かし残しがあると、知らない間に菌が異常繁殖してしまうことも。菌の増殖は、ニオイの原因にも繋がります。
2、フケやかゆみに繋がる
髪を乾かさないと『湿気により、頭皮に雑菌が繁殖し易い環境になる』、ということはお伝えしましたが、菌の増殖はフケ・かゆみの原因にも繋がります。
頭皮は皮膚の一部。湿気を多く含み蒸れてしまうと、肌のバリア機能が弱くなったりし、炎症を起こしたり、赤み、ポツポツ、かゆみといった頭皮トラブルが起こしやすくなります。
2、髪の傷みが加速
濡れた髪は、水素結合が切れてキューティクルが開き、一番弱い状態。
ちょっと専門的な言い方ですが、簡単にいうと『いつも髪を守っていくれている存在がいない状態』です。もしも乾かさずにそのまま寝てしてしまうと、枕との摩擦で傷みが加速してしまいます。
3、風邪をひきやすくなる
風邪のひきはじめに首がゾクゾク…という感覚をした記憶はありませんか?
冬場は、首・手首・足首などを温めると風邪をひきにくいと言いますが(東洋医学)、髪が濡れたままの状態だと、その真逆。首から寒さが入ってきます。
とくにロングヘアーだと尚更です。もはや、逆マフラー状態です。首にドライアイスを入れているようなものなので、風邪をひきやすくなります。
髪を乾かすときにやってはいけないこと
1、髪が乾いてないのに途中でやめる
俗にいう、髪を乾かした気分さん。髪の太さや長さ、毛髪タイプは人それぞれなので『何分乾かしたらOK』などのルールはありません。
長年の乾かしグセで、片側はドライヤーでしっかり乾かせているけれど、反対側は全く乾かせてない!という方も…乾いた雰囲気でやめて、半乾きの髪って意外と多いんです。
2、ドライヤーを近すぎる距離で当てる
朝晩の忙しい時間帯だと、一刻も早く髪を乾かしたいもの。そのため、短時間で乾かせるようにパワフルな風量のドライヤーも多く発売されています。
しかし、熱い熱風は髪だけでなく頭皮にとっても大きなダメージを与えます。
頭皮は髪でみえにくいですが、赤みや炎症の原因がヒートオーバー(高熱の当て過ぎ)のこともあります。
3、乾かさない
スキンヘッドの方でしたら乾かさなくても大丈夫ですが、基本的にショートヘアでも乾かすのが鉄則です。とくにヘアドネーションをしようと髪を伸ばしている場合など、乾かさないのはもってほかです。
ロングヘアは、ショートに比べて髪の傷みが強くでます。ロングヘアになると毛先の髪は、3年以上も一緒に生活を共にする存在。死んだ細胞である以上、一度ダメージを受けると、肌のようにターンオーバーで生まれ変わることはありません(補修することはできますが)
また、髪は保温効果もありますが、逆に湿ったり濡れているとひんやりします。その状態が続くと、頭皮の雑菌の繁殖も増えるのでニオイの原因にも繋がります。
ドヤイヤーは髪を傷める悪者?
ドライヤーを使いたくない、という方の中に『髪が傷むから』という声を聞きます。もちろん、髪は熱に弱い性質がありますが、それ以上に『乾かさない』ことのほうが髪にとって悪影響なんです。
髪の傷みが気になるなら、アフターバスアイテムのオイルで保湿したり、保護成分のあるアイテムでケアすることで傷みを少なくことができます。
どうしてもドライヤーを使いたくない人は?
それでもドライヤーを使いたくない!という方は、ドライタオル、扇風機はいかがでしょうか。どんなに乾かさないと良くないことがあると伝えても、強制はできません。
少しでも水分を少なくして、早めに乾燥できる方法のひとつです。
髪を乾かすことは髪育の基本
ヘアオイルやトリートメントなど、ケア用品に力を入れている方は多い一方、意外と忘れがちなのがドライヤーの使い方です。乾かすだけなのに面倒だなぁと思うかもしれませんが、間違いをやめるだけで急激に髪が元気になっていくこともありますよ。参考にして貰えると幸いです。