血を補い血行不良を改善する『さば』、気血のめぐりを良くしアミノ酸も豊富な『黒酢』、気の巡りを促す『陳皮(みかんの皮)』を使った、抜け毛や薄毛が気になる瘀血タイプにおすすめの髪育ごはんです。
鯖(さば)が髪におすすめの理由
薄毛、抜け毛の要因のひとつが頭皮の血行不良です。髪の栄養は血液を通して送られ、頭皮への栄養は毛細血管を通して届けられます。
もしも、頭皮の血行が悪かったらどうなるか?なんとなくイメージできると思いますが、たんぱく質やミネラルなど大切な栄養素が頭皮や髪に届かず、抜け毛や薄毛につながってしまいます。
その血行不良で一番注意したいのが、「瘀血(おけつ)」タイプさん。瘀血タイプとは、ドロドロ血が原因で、血流が悪くなり、血行不良となっている状態です。放っておくと、動脈硬化や脳梗塞など、大きな病気にもつながります。
そこで活躍するのが、血を補い、さらに血の巡りも良くしてくれるさばの存在です。とくに昨今は、さば缶ブームでEPAという成分も注目を集めていますよね。EPAは、不飽和脂肪酸の一種で、血液をサラサラにする働きがあると言われています。
鯖(さば)の特徴
【性味】温性、甘味 【帰経】脾・胃
【特徴】血を補う、血の巡りを良くする、筋肉不足によるむくみ、利尿、貧血改善、胃腸を整えて不快感を緩和、食欲不振、美肌

『血を補う、血行を良くする、疲労改善』の特徴があります。
健康な髪を育てるためには、たんぱく質やミネラルも大切ですが『血』も需要になってきます。
『血』は、みなさんご存知のように生命活動を維持する赤い液体・血液ですが、中医学の『血』の概念では身体を滋養(潤す)する血液のほかに、精神の活動を支える働きもあったりと、一般的な血液の概念より広い意味を持っています。
とくに中医学には「婦人は血(けつ)をもって本となす」という言葉があり、これは女性の健康や美しさの基本は「血」にあるということ。月経や出産などで血が不足しがちな女性こそ気をつけて欲しいのです。
血が不足すると、冷え、疲労感、月経不順、目の乾燥、情緒不安定、睡眠障害といった、美容の敵となる肌の乾燥や髪のパサつきなどが現れます。
薬膳としての組み合わせ
今回、『さば』と合わせた黒酢には、豊富なアミノ酸やクエン酸などを多く含み、血流促進が期待できる成分が含まれるからです。
黒酢には、酢と同様に血を巡らせる作用がある以外にも、クエン酸などの有機酸、人間のからだの中で作ることのできない必須アミノ酸、ビタミンEやB群などが豊富に含まれています。
また、ビタミンB群やたんぱく質を組み合わせることで、さらにエネルギー代謝も高まり、食べ物のエネルギー変換をスムーズにしてくれます。
髪にとって大切なたんぱく質と一緒に取ると相乗効果が得られる万能な食材です。
血を補い、頭皮の血行を促すEPAが豊富な「さば」、さらにビタミンやクエン酸などの疲労回復を助ける「黒酢」、体を温めて巡りを良くする「生姜」、気の巡りを促す「陳皮(みかんの皮)」を使った、抜け毛、薄毛におすすめのレシピを作ってみました。
『鯖(さば)の黒酢煮』のレシピ
調理時間30分【難易度★☆☆】
食材
【2人分】
・冷凍さば:1尾
・しょうが:1カケ
・塩:少々
・陳皮
<A(タレ)>
・黒酢:大さじ2
・しょうゆ:大さじ1/2
・みりん:大さじ1/2
・てんさい糖:大さじ1
・酒:大さじ2
・水:大さじ2
作り方
①解凍し、半分にカットしたさばに塩を振って5分ほど置いて、臭み取りをしたあとはキッチンペーパーなどで水分をしっかりとふく。
②しょうがは薄切りにする。
③鍋にAとしょうがを入れ、煮立ったらさばを入れる。
④再度、煮立ったら落し蓋をして、中火で8分〜10分煮詰める。
⑤皿に盛り付けたら、陳皮をふりかける。
ポイント
❶落し蓋をすることで煮汁が循環し、味がしっかりと染み込みます。
❷大きな鍋より、魚の大きさにあった小鍋で作るとよりふっくら美味しく仕上がります。