気血を補い、体の余分な汚れを出してくれる「モロヘイヤ」、血行を良くする「長ネギ」、「生姜」、お腹を温めたんぱく質を補う「鶏肉」を使った、湿気の多い日本の夏におすすめ「余分な熱を冷まして潤い補給ができる髪育ごはん」です。
モロヘイヤが髪におすすめの理由
エジプト原産のモロヘイヤは、かつて王様の病気を治したことから「王様の野菜」という別名を持つほど栄養価の高い野菜。緑黄色野菜の中でもずば抜けて栄養価が高く、「緑黄色の王様」「奇跡の野菜」とも呼ばれています。
ビタミンやミネラルが非常に豊富なことから、一説にはクレオパトラも好んで食べたと言われるほど。モロヘイヤが日本に入ってきたのは1980年代〜ですが、昔から密かに美容や健康意識の高い人たちに好まれてきました。
栄養価の高さからサプリメントとしてもおなじみのモロヘイヤですが、葉を細かく刻むと粘りが出るのが特徴です。
βカロテン(ビタミンA)、ビタミンC、ビタミンB2は、トマトやニラの3倍以上。また、鉄分やヨウ素といったミネラルや食物繊維を多く含んでいます。
✔︎貧血予防の鉄分
✔︎目の健康維持、血行の流れをよくするビタミンA(βカロテン)
✔︎強い抗酸化力、風邪の予防にビタミンE
✔︎糖質やタンパク質、脂質の代謝を助け、皮膚の健康を支えるビタミンB2
✔︎タンパク質をつくるのに不可欠なビタミンC
✔︎便秘改善の食物繊維
✔︎骨粗しょう症予防のカルシウム
✔︎甲状腺ホルモン、新陳代謝を促すヨウ素
モロヘイヤは植物でありながら、カルシウムを豊富に含んでいます。その量は100gあたり260mgほど。めざしやシラス干しよりも多いんだそう。
また、体に有害な過酸化脂質を抑える作用があり、強い抗酸化力のあるビタミンEは、野菜の中ではダントツのトップです。
これだけ豊富な栄養価が含まれるなら、王様やクレオパトラが愛したのも納得できますね。
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モロヘイヤの特徴
【性味】涼性、甘苦味 【帰経】肺・肝・腎・脾
【特徴】血の巡りを良くする、湿気による熱をとる、精神不安の改善、お腹の張り、胃の遣つかえ、便秘、赤目、老化予防
薬膳的には、体を内側から潤し、湿気による熱を取り、体の中に溜まった余分なものの排出を促すことで知られています。
日本の夏は高温多湿なので、余分な痰湿がたまり、消化不良から胃腸の不調を感じる人が多くいます。潤しながら余分なものを促すモロヘイヤは、日本の夏には積極的に取りたい食材のひとつ。
また、気血の巡りを良くする働きもあるので、気の巡りが悪く血行の良くない「気滞鬱血タイプ」にもおすすめです。
また、肌を潤す作用があるため、皮膚や爪・髪のパサつきを改善する作用があります。モロヘイヤを切ると出てくる粘り気は、粘膜や細胞を潤し丈夫にして、抵抗力を高める効果があるといわれています。
薬膳としての組み合わせ
今回、「モロヘイヤ」に合わせた「長ネギ」「生姜」は、体を温め血行を良くする食材です。
夏に体を温める食材?と思いますが、夏はエアコンや冷たい飲食の影響で胃腸が冷え、消化不良を起こし、夏バテを起こしてしまう人が増えます。
夏こそ適度に温める食材を組み合わせて、胃腸を元気にしてあげることが大切です。
また、低カロリー高たんぱくの鶏ひき肉を使うことで、髪の源でもあるたんぱく質&アミノ酸を補えます。モロヘイヤに含まれるビタミンB2は、たんぱく質や脂質の代謝を助けてくれるので相性もバッチリ。
トッピングに血を補うクコの実を散らすことで、見た目にも華やかなスープに仕上げました。
気血を補い、体の余分な汚れを出してくれる「モロヘイヤ」、血行を良くする「長ネギ」、「生姜」、お腹を温めたんぱく質を補う「鶏肉」を組み合わせた
湿気の多い日本の夏におすすめ「余分な熱を冷まして潤い補給ができる髪育ごはん」です。
『クコの実とモロヘイヤスープ』のレシピ
調理時間30分【難易度★☆☆】
食材
【2人分】
・モロヘイヤ:1袋
・とりひき肉:50g
・クコの実:大1
・長ネギ:大1
・生姜のすりおろし:小1
<A>
・酒:大1
・鶏がら粉末:小1
<B>
・醤油:小1(味を見て調整)
・ごま油:小1
・塩:少々
・水:2カップ
作り方
①クコの実は少量の水につけ、柔くしておく。長ネギはミジン切り、生姜はすりおろしておく。
②モロヘイヤは葉をつみ、さっと1、2分程度塩ゆでする。ザルでお湯を切り、熱を冷ます。軽く水分を絞り、細かくカットしておく。
③鍋に油を熱し、生姜と長ネギを入れ中火で炒める。香りが立ってきたら、ひき肉を入れて炒め合わせる。
④ひき肉がほぐれてきたら、水2カップと Aを加える。アクを取りながら、中火で3分ほど煮る。
⑤モロヘイヤを加えて1分ほど煮たら、Bで味を整える。器に盛り付け、クコの実を散らしたら出来上がり。
ポイント
❶モロヘイヤは細かくミジン切りにすると、ネバネバを感じやすくなります。食感や歯ごたえを楽しみたい方は、1センチ幅程度にカットするようにしましょう。
❷⑤でモロヘイヤを入れてからはあまり煮すぎないようにしましょう。