発散させて巡りを良くする「ミョウガ」、血行を促し毛細血管に栄養を届ける「鰯(いわし)」、体を潤し胃腸を養う「豆腐」、血を補い体を潤す「トマト」、ストレスによる気の巡りを整える「紫蘇」を使った、火を使わずに作れる髪育ごはんです。
ミョウガが髪におすすめの理由
ミョウガはショウガ科に属する野菜。葉のやわらかい夏の茗荷は、そうめんや冷ややっこなど、夏の料理に欠かせない薬味ですよね。平安時代にはすでに食用として利用されていたそうです。
ミョウガのさわやかな香りは、アルファピネンという成分。この成分にはリラックス効果や発汗を促す効果があります。
✔︎抗菌、抗ウィルス、抗炎症作用のあるカンフェン
✔︎発汗、呼吸、血液の循環機能を促すアルファピネン
✔︎むくみ改善のカリウム
✔︎皮膚のコラーゲン生成に働きかけるビタミンC
✔︎抗酸化力、視機能改善に良いアントシアニン
✔︎美肌、眼精疲労の改善良いビタミンB
✔︎血球細胞の形成を助ける葉酸
✔︎髪の主成分たんぱく質
✔︎貧血予防の鉄分
ミョウガに含まれるたんぱく質や鉄分は少量ですが、まったく取れないというわけではありません。
ミョウガの成分は、ほとんどが水なので低カロリー。しかし、カリウム、鉄分、葉酸、ビタミンB群、Cなどバランス良く栄養素を含んでいる野菜です。
ミョウガの特徴
【性味】温性、苦甘味 【帰経】肺・大腸・膀胱
【特徴】温めて気の巡りを良くする、生理不順・生理痛の改善、口内炎、食欲増進、できもの(吹き出物・腫瘍など)を落ち着かせる

薬膳的には、ミョウガは発汗を促す作用があるのでかぜの初期におすすめ。また、血行を促すことから、月経痛や月経不順などの婦人科疾患にもよいとされ、口内炎などの予防にも効果的です。
香味野菜のミョウガは、香りの効果により気の巡りを助けます。髪の健康に気の巡り?と思うかもしれませんが、髪の健康と深い関わりがある「肝」の健康を保つには「気の巡り」がとっても大切。
「気」や「肝」と言われてもピンと来ないですよね…私もそうでした。
簡単に言うと、肝はストレスに弱い臓器。なので、ストレスが溜まると弱ってしまいます。
そして、肝が弱って働きが悪くなると気の巡りが悪くなって、イライラしたり、頭皮の痒みが出たり、上半身に症状が出てくることが多いのです。
何より、「肝(肝臓)」は血を貯蔵し、全身に送る役割を担うため、「肝」が健康で血が体内をスムーズに流れていると、髪にも潤いや栄養がしっかりと届きます。
だからこそ、髪の健康のためには、気血の巡りを良くすることがとっても大切。そのためには、ストレスはこまめに発散するのが鉄則なのです。
薬膳としての組み合わせ
今回、「ミョウガ」に合わせた「いわし」には、血を補い、頭皮の血行を促すEPA、アミノ酸、クエン酸が豊富に含まれています。
夏は汗をかいて知らず知らずのうちに水分が不足し、ドロドロ血の瘀血状態になりがちです。ドロドロ血が原因で血流が悪くなり、血行不良になってしまうと、頭皮も同じように血行が悪い状態に。。。
血行不良をそのままにしておくと、たんぱく質やミネラルなど大切な栄養素が頭皮や髪に届かず、抜け毛や薄毛につながってしまいます。

また、体を潤しビタミンも豊富な「豆腐」を一緒に取ることで、エネルギー代謝も高まり、エネルギー変換もスムーズになります。
通常、冷汁は冷蔵庫でしっかり冷やして食べます。もちろん、冷たいとさっぱりと頂けますが、夏に冷たい飲食を取ると胃腸の働きを弱めることにも。。。胃腸の働きは弱まると、食欲不振など夏バテにも繋がります。
今回、食材に加えた豆腐、トマト、キュウリは全て体の熱をとってくれる清熱作用のある食材。常温で食べても十分、体の熱をとってくれます。今回は、あえて冷やさずに常温で食べれるレシピにしました。
発散させて巡りを良くする「ミョウガ」、血行を促し毛細血管に栄養を届ける「鰯(いわし)」、体を潤しビタミンが豊富な「豆腐」、血を補い体を潤す「トマト」、気の巡りを促す「紫蘇」「ねぎ」、皮膚や髪を潤す「白ごま」を組み合わせた
暑い夏に胃腸を労わりながら、さっぱりいただける髪育ごはんを作ってみました。
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『冷やさない鰯(いわし)の冷汁』のレシピ
調理時20分【難易度★☆☆】
食材
【2人分】
・いわしの缶詰:1缶
・キュウリ:1本
・ミニトマト:4個
・木綿豆腐:1丁
・ミョウガ:2本
・紫蘇:5.6枚
・ねぎ:お好みで
・生姜のすりおろし:1片
・味噌:大2
・すりごま:大2
・粉末だし:小1
・水:1カップ
作り方
①キュウリは薄切りして軽く塩を振る。5分ほど放置し、水分を絞っておく。ミニトマトは半分にカットする。
②紫蘇は千切りに、ミョウガは薄く小口切りにする。生姜はすりおろしておく。
③ボウルに味噌と粉末出汁を入れ、少しづつ水を入れのばしていく。いわしの缶詰の身の部分と汁液を大さじ2くらいいれる。手で崩した豆腐、①のきゅうり、すりごま、生姜を加えて混ぜる。
④器に盛り付け、たっぷりの紫蘇とミョウガ、ネギを盛り付けたら出来上がり。
ポイント
❶通常は③の後に冷蔵庫で冷やすのが冷汁ですが、冷たいものは胃腸の負担になります。熱を取る食材をたっぷり使っているので、冷やさなくても十分に余分な熱をとって夏バテ対策になります。
❷のどごしを楽しみたい人は、木綿豆腐ではなく絹豆腐もおすすめです。